[アップデート] Amazon FSx for Windowsで新しいメトリクスがサポートされました
しばたです。
本日よりAmazon FSx for Windows Server(FSx for Windows)で新しいメトリクスが追加されマネジメントコンソールのダッシュボードも更新されました。
AWSからのアナウンスは以下となります。
どういうこと?
基本的にはAWSのアナウンスの通りで、従来FSx for Windowsで監視可能なメトリクスは「利用可能なストレージ容量」「ディスクスループット」「ディスクIOPS」の基本的な項目だけでした。
今回のアップデートで
- ファイルサーバーのCPU使用率
- ファイルサーバーのメモリ使用率
- ネットワークスループット
といったパフォーマンス関連のメトリクスが追加され、併せてマネジメントコンソール上の表示内容も刷新されました。
サポート対象
FSx for Windowsをサポートするリージョン全てにおいて本日より新規作成されるファイルシステムが対象となります。
既存環境についてはこれからのメンテナンスウィンドウで随時対応していくとのことです。
また、この機能を利用するのに追加費用はかかりませんがスループットキャパシティが32MB
以上(AWSの推奨値)である必要があります。
スループットキャパシティが32MB未満の環境の場合は以下の様な警告が表示されてしまいます。
確認してみた
早速ですが実際に環境を作って確認してみます。
今回は私の検証用AWSアカウントの東京リージョンに新規にVPCとFSx for Windowsのファイルシステムを作成しました。
シングルAZ、SSD 32GiBの最小限の構成ですが、前述の通りスループットキャパシティは32MB
にしています。
ファイルシステム作成後に「モニタリングとパフォーマンス」タブを選ぶと表示内容が刷新されており、上部にラジオボタンが増えてカテゴリごとの表示ができる様になりました。
以降で各カテゴリの内容を解説します。
概要
「概要」欄は従来のメトリクスを表示しており内容に大きな変更はありません。
新しく「クライアント接続数(ClientConnections)」を参照できる様になっています。
ストレージ
「ストレージ」欄は新たに増えたもので「ストレージキャパシティの使用率(StorageCapacityUtilization)」と「重複排除により節約された比率(DeduplicationSavedStorage)」が新規に増えています。
重複排除の比率が取れる様になったのは個人的に凄く嬉しいです。
パフォーマンス
「パフォーマンス」欄も新たに増え、パフォーマンス図と併せて
- ファイルサーバーのメトリクス
- ネットワークスループット : NetworkThroughputUtilization
- ディスクスループット - 使用状況 : FileServerDiskThroughputUtilization
- ディスクスループット - バーストバランス : FileServerDiskThroughputBalance
- ディスク IOPS - 使用状況 : FileServerDiskIopsUtilization
- ディスク IOPS - バーストバランス : FileServerDiskIopsBalance
- CPU 使用状況 : CPUUtilization
- メモリ使用状況 : MemoryUtilization
- ストレージのメトリクス
- ディスク IOPS - 使用状況 (SSD) : DiskIopsUtilization
- ディスクスループット - 使用状況 (HDD) : DiskThroughputUtilization
- ディスクスループット - バーストバランス (HDD) : DiskThroughputBalance
といった詳細なメトリクスが参照できる様になっています。
CloudWatch アラーム
従来のCloudWatch Alarm設定は「CloudWatch アラーム」欄に移動されました。
補足1 : CloudWatch Metricsからも参照可能
今回の更新の本題はFSx for Windowsnに新しいメトリクスが増えたことなので、当然CloudWatchのほうからも参照し利用することができます。
補足2 : メトリクスの見かた
今回増えた分のメトリクスも含めて、各メトリクスの見かたが以下のドキュメントにあるので参考にしてください。
- How to use FSx for Windows File Server metrics
- 日本語ドキュメントはまだ更新されてないので英語版をご覧ください
最後に
以上となります。
マネージドサービスであるFSx for Windowsにおいてこれまで参照できるメトリクスが少なかった点は問題になることが多かったかと思います。
今回の更新で全ての問題が解消できるとは言いませんが、参照できるメトリクスが増えたことで解決できる問題もあるでしょう。
FSx for Windowsの運用が少しでも楽になれば嬉しいですね。